ニューカレドニア南部のニッケル鉱山開発についての講演会に行ってみた。
http://www.gef.or.jp/activity/economy/sustainable/nickel.html
http://www.gef.or.jp/activity/economy/sustainable/ncphoto.html
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080520/157878/
ニューカレドニアゴンドワナ大陸の地層が残る稀有な島で、固有生物も多く生息する。
そしてレアメタルと呼ばれる金属の産地としても埋蔵量世界2位、産出量世界5位となっている。

ここでカナダの鉱山会社がニッケル利権をめぐって各国と競争の末、グランドテール島南部ゴロ地区の採掘と精錬場開発権を獲得した。
(他社が1.9兆円株式交換でなどの買収案を提示していたところ、キャッシュで2兆円支払って即決したそうだ)
しかし、上記のように珍しい生態系、多様な種の宝庫の直下に二ッケル層が存在してしまうところにコンフリクトが生じている。

ニッケル層が地表近くにあるため露天掘りとなり、貴重な潅木の群生地や鳥の生息地をブルドーザーでなぎ倒してニッケルを採掘し、後から植林。という手順らしいが植林がうまく根付き、再生するかどうかは予測がつかないとのことだ。
また、採掘による土砂が川を伝ってラグーンに流れ込み、珊瑚礁の生態系にダメージを与えている。

先住民たちは開発の停止を求めてパリの地方裁判所にあたるところに提訴し、2006年の一審では勝訴したが、2007年の上級審で覆され現在は同地区の南側ラグーンを世界遺産に登録するのと引き換えに開発の許可同意を余儀なくされたという。(裁判や抗議行動に対応するために操業開始が遅れ、遺失利益が生じているが、現在も硫酸流出事故などで工事が中断しているとのことだ)
カナダからウランを確保する代わりにニッケルを売るとかなんとか。噂があるらしい。
世界遺産といってもフランスの都合だったとは。
(;´Д`)
珊瑚礁はニッケル鉱山とは関係なくても温暖化で死滅しているところも増えているというのに。

フランスひどいよ。フランス

しかもニューカレドニア航空の機内誌に中国もニッケル鉱山に出資始めたという記事が出ていた。

漏れもニッケル水素電池をはじめニッケルにはいろいろお世話になっているが、何か地球を壊してまで掘るのか?といいたい。

自分たちの住んでいる船の船底を削って燃料にしたら船に穴が開いたよみたいな変な話しだ。

ニューカレドニアではフランスから独立するかどうかの住民投票を2012年に行う予定があるという。
独立して経済的に自立するのか疑問だが、太平洋諸島フォーラムに正式参加したほうが将来のためなのかも。

http://www.forumsec.org.fj/

フランスに対する疑問

  • 自分たちがバカンスで訪れる土地の自然が失われて行くのになぜ開発を優先するのか
  • 海外県の教育をないがしろにしているのではないか

(ホテル従業員など都合が悪くなると英語がしゃべれないといって逃げたりする。観光地で盗難が多発するらしい。)

日本では、『天国に一番近い島』とかゆうイメージで紹介され、なじみがあるがフランスから見たらタヒチに見劣りする田舎の島という印象があるらしい。
(;´Д`)
楽園の写真家三好和義さんもニューカレドニアではウベア島だけしか写していない。

だが、だからといってニッケルは掘りつくせば後には廃墟と貧困が残るだけだという。
ニューカレドニアは観光立国をも目指さないとならないと思う。

子供の頃から小学校で英語、ドイツ語、日本語などを教え、国民全体で国家の財源である観光を支えているモルディブを見習って欲しい。
そうして、タヒチモルディブになろうとするのではなく、ニューカレドニア独自の自然、文化に気付いて守って欲しいものだ。